中小企業金融公庫はこのほど、今年6月の中小企業景況調査の結果を公表した。それによると、同月の中小企業の景況は「持ち直しの動きがみられる」として、前月の「改善の動きに一服感がみられる」から判断を上方修正した。同月の売上DI(「増加」とする企業割合から「減少」とする企業割合を引いた値、季節調整値)が5カ月ぶりに増加超(プラス値)を記録。利益額DIも増加超となった。
調査は6月中旬、3大都市圏の同公庫取引先企業900社(首都圏454社、中京圏140社、近畿圏306社)に実施した。有効回答数は596社で、回答率66.2%。
同月の売上DIは0・5で、前月のマイナス0.5から1.0ポイント上昇した。DI値が増加超(プラス)になるのは5カ月ぶり。
今後3カ月の売上見通しDI(同)は17.5で、前月の11.4から6.1ポイント上昇した。
同月の利益額DI(同)は1・0で、前月のマイナス1.2から2.2ポイント上昇した。利益額DIが増加超となるのは2カ月ぶり。ただ、黒字企業割合から赤字企業割合を引いた値は29・4で、前月の30.2から0.8ポイント低下した。
このほか資金繰りDI(「余裕」とする企業割合から「窮屈」とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス0.5で、前月のマイナス0.2から0.3ポイント低下。貸出態度DI(「緩和」とする企業割合から「厳しい」とする企業割合を引いた値)は47.2で、前月の44.4から2.8ポイント上昇した。